商品説明
1960年代から40年に渡り、顧客からのオーダーでギター製作を行ってきたトニー・ゼマイティス。
ゼマイティス・ギターのトレードマークとも呼べるメタル・フロントは、現代のようなシステムが無い時代に「如何にノイズを低減させるか」をテーマとするなかで誕生しました。当時としては斬新過ぎる“ボディに金属板を取り付けたギター”は、コンセプトでもあったロー・ノイズを実現するだけでなく、メタルプレートの持つ音響特性により、独自のサウンドを生み出す事に成功しました。
1970年代のロックミュージックに求められるサウンドを内包したメタル・フロントは、その後、彫金師のダニー・オブライエンの手によってエングレイブが施されることで芸術の域にまで高められることとなりました。その美しいルックスと独特のサウンドは、トニーが製作を手掛けたギターの中でも特に印象的なモデルのひとつと云えます。
本機は、ユニークなアイディアを常にもち、貪欲にギター製作を行ったトニー・ゼマイティスのアイデンティティを受け継ぎ、日本国内で製造されるハイ・グレードシリーズです。
ボディ、ネックはアフリカン・マホガニー。635mmスケール、24フレット仕様のエボニー指板を採用し、ボディとネックの接合には、高い精度のボックス・ジョイントが引き継がれています。
トップ&バックのプレートにはリーフ・スクロールと、伝統を示す「A.C.ZEMAITIS SINCE 1955」の文字が刻まれ、ヘッドのエンブレム、トラスロッド・カバー、テイルピース、ピックアップ・リング、アウトプット・ジャック・プレートなどのパーツに至るまで彫金を施したクラシックなルックスが特徴です。
サウンドに拘ったオリジナル設計のジュラルミン製ブリッジ&テイルピース、機能性とデザイン性を兼ね備えたフラワーナット(ブリッジ高さ調整サムナット)も特筆。演奏性や音に影響が出にくい部分ではありますが、先端に向かって薄くなる高音弦側のホーン、スロープが施されたヘッド裏や指板エンドなど、細部にまでトニーのセンスが反映されています。
ピックアップは、ゼマイティス・サウンドを引き出すために試作を重ねて完成した“ドラゴン・クラシック”。キャパシターはオレンジ・ドロップを搭載しています。塗装はボディ、ネックともにラッカーフィニッシュ。
※こちらの商品は店頭に展示していない場合がございます。
※試奏ご希望の際はご来店時スタッフまでお申し付けください。
Body Top: Duralumin
Body Back: Select African Mahogany
Neck: Select African Mahogany
Neck Joint: Set Neck
Nut: 43mm (Bone)
Fingerboard: Bound Ebony
Scale: 635mm (25″)
Frets: 24 (Medium)
Pickup: Dragon Classic Set
Radius: 305mm (12″)
Controls: 2Vol, 2Tone, 3-way toggle
Tuners: Gotoh SG301-01-Chrome
Finish: Lacquer
専用ハードケース付属
1935年ロンドンで生まれたアンタナス・カシミア・ゼマイティス(通称トニー・ゼマイティス)。幼少期から物作りに興味を示し、飛行機模型や自転車まで設計・製作していたトニーは、16歳の時に家具職人の見習いとして働きはじめる。このことが、ギター製作を行う上での木工技術・設計・装飾を実現するための礎となった。
1950年、友人からクラシックギターを借りて演奏を始める。経済的に新しい楽器の購入が難しかったことから、やがて自身で製作することを思い立ち、見様見真似で最初のギターを作り上げる。50年代後半、兵役から戻ってからも飽くなき探求は尽きることがなく、試行錯誤を繰り返しながら独学でギター作りに没頭し、製作技術はさらに向上していきました。60年代に入ると、ワンオフで作られるアコースティックギターが楽器店で評判となり、次第にプロミュージシャンにも注目されるようになります。
1965年頃に楽器の仕事で生計を立てられるようになったトニーは、本格的に製作家としての歩みを始める。初期の作品は主にアコースティックギター(特に12弦を得意としていた)でしたが、ブリティッシュロック黎明期のミュージックシーンに対応して60年代後半からエレキギターも手掛けるようになりました。
トニーは常に新しいアイディアにチャレンジし、エレキギターに改良を加えていきました。そのひとつが、“メタル・フロント“である。ボディ・トップにジュラルミン・プレートを取り付けた斬新なこのギターは、単なるノイズ対策に留まることなく、ダニー・オブライエンの施す美しい彫金によって、ゼマイティス・ギターのトレードマークとなっていく。メタル・フロントに続き、トップ一面にマザー・オブ・パールを幾何学的に敷き詰めた“パール・フロント”を発表。一流ミュージシャンからのバックオーダーを多く抱え、製作家として名実ともに成功を収める。アコースティックギターとエレクトリックギターで功績を遺したトニー・ゼマイティスは、希代のルシアーであり、ブリティッシュロックの歴史に名を刻む存在となりました。
80年代に入るとトニーの製作したギターは、希少性からその価格は上昇していった。円熟期を迎えてもギター製作に対する姿勢はなんら変わることはなく、一人でそれまでと同じように年数本のペースで製作を続けるが、健康上の理由から2000年に引退を決意。40年のキャリアで約600本の作品を遺し、2002年8月17日に病でこの世を去りました。
トニーと親族の意志を受け継いだゼマイティス・ギターは、日本に生産拠点を移し、2003年に新たなスタートを切ります。伝統を引き継ぐに当たり、長年トニーと仕事を共にしたダニー・オブライエンもプロジェクトに参画。英国のレガシー継承を確実なものにしたZEMAITISは、2025年に誕生70年周年を迎えます。
▼使用ミュージシャン
Jimi Hendrix、Paul McCartney、Marc Bolan、Ronnie Wood、Eric Clapton、Keith Richards、George Harrison、Bobby Womack、James Hetfield (Metallica)、Char、布袋 寅泰、PANTA (頭脳警察)、樋口 豊 (BUCK-TICK)、HISASHI (GLAY)、TAKUYA (ex: JUDY AND MARY)、小鳩ミク (BAND-MAID) etc…
は 70年を迎えます。